昔は怒ると雷が落ちると父親が家庭では恐れられていることが当たり前でした。
しかし近年では、「叱らない育児」が新しい育児の方法として知られてきました。
自分の思うように動いてくれない子供に毎日振り回されてしまう親にとっては、怒らずにすむ育児が出来たら子供にとっても親にとっても負担が軽くなりそうです。
しかし、この叱らない子育てを誤って理解した結果躾を行わず、子供が我慢できない大人になってしまい失敗を招いてしまうのです。
自分の子供がそのようにならないためにも正しい子育てについて考え、叱らない子育ての方法と叱らなかった子育てを行った結果、育児の問題点、デメリットについて知りましょう。
叱らない子育てってなに?
最近では、子供に叱りそうになったらなるべく感情的にならず冷静に話すという方や、あまり叱らず褒めるときはオーバーなくらい褒めるという叱らない育て方をしている方もいます。
叱らない子育てとは、ただ単純に「なんでもかんでも叱らない」ということではありません。
この子育ての仕方で失敗してしまった方の中には、「叱る」という意味を間違えている方が多いとされています。
叱らない子育ては、「頭ごなしに怒鳴らない」「叱る前に子供の考えや気持ちに耳を傾ける」「人格を否定しない」「いけないことはよく言い聞かせる」 ということがあげられます。
人の迷惑になることや人に危険を及ぼすようなことをしてしまった場合は、しっかりと子供を叱る必要があり、これはしつけの上でとても大切なことなのです。
叱らない子育ての結果子供はどうなる?
叱らない子育てを野放し子育てと間違えてとらえてしまい、野放し育児をされて育った子供は、ある程度聞き分けができるはずの年になっても、静かに座っていないといけない場面でじっとしていられず走り回ってしまいます。正しい叱らない子育てをされてきた子供でも、走り回ることがありますが、ダメだと理解できているかどうかが大きな違いなのです。
また幼稚園に行きたくないと言うから行かさなかったという子供は、小学校では椅子に座っていることができずに社会生活がまともに送れなくなってしまったと言います。
しても許されることや許されないことの区別、社会のルールやマナーを教えられないまま大きくなる子どもは挨拶もできない、ものを盗んだり乱暴に扱う、言葉使いを知らない、人に手を出す、周りに気を配らないなど様々な問題を起こしてしまう危険があるのです。
叱らない子育ての問題点
叱らない子育てはいくつかの問題点が出てきてしまいます。
まずは叱らない子育てを、野放し子育てと間違えてとらえてしまった子育てを行ってしまうことがあげられます。
叱らない育児というのは、一言で大まかに言ってしまうと感情的になって頭ごなしに叱りつけない育児という意味です。
ただ周りが叱らない育児がいいと言っているのを聞いただけで、思い込みで実践してしまう人も出てこないとは限りません。
野放し育児は、子供がダメな行為をしていても、叱ることも根気強く言い聞かせることもしなくていいため楽でいいと勘違いしてしまうのです。
そして叱らずに育児をするということは、子供のいけない行動に対して根気強く何度も言い聞かせることになり、叱るという行為よりも多くの労力を使うことになりストレスも溜まってしまうことも問題です。
叱ることのデメリット
叱らないことだけでなく、叱ることにもデメリットが存在します。
叱るという方法に改善の余地があるという考え方に気づかず、改善されない子供の行いにもっと叱る必要があるのではないかと考えてしまうことが大きなデメリットとなります。
叱ることで、親も子供も感覚が鈍ってしまい、子供は叱られることに恐怖を感じるだけになってしまう可能性があります。このことに気づかず叱り続けてしまった場合、子供は親の顔色を窺ってただ従うだけになってしまい子供の創造力が失われてしまう危険があるのです。
正しい子育てで子供は、自発的に動き考える力を得ることが出来ます。
叱られることによって、創造力が生まれず成長できない子供になってしまうことは子供のためにもよくありません。
失敗しない、上手な叱り方のポイント
子どもを成長させることが出来る上手な叱り方のポイントには以下の3つがあげられます。
まずは、叱った後に改善されたらほめることです。
叱りっぱなしになるのではなく、次からはがんばろうと子供を励まし改善されたら褒めることが大切になります。親に認められた子供はうれしくなり、次も頑張るぞと気を付けるようになれるのです。
次に、具体的に言うことです。
叱る際には、「それはダメ」だけでなく危ないからなど具体的でわかりやすく言うと伝わりやすくなります。
三つめは、共感してから叱ることです。
頭ごなしに叱るのではなく、子供の言い分をしっかり聞いて最初に肯定し認めてあげることで子供も受け入れやすくなります。
子育てに正解はない!
こうやって育てていけば、必ず正しい立派な大人に育つという育児があるわけではありません。
子どものためを思ってしていることが、必ずしも子供に伝わるとは限らないのです。そして、子供の成長には、両親だけでなく、学校の先生や友達、親せきなど親以外のたくさんの要素が関わってきます。
子どもは怒らず叱ることが正しいと聞いて、怒ると叱るの使い分け方がわからないからダメな親だと落ち込む必要はありません。
そのことが原因で、思い通りにいかずイライラしてしまうことで子供に当たってしまう方が問題です。
子どもの育て方には正解がありません。教科書やマニュアに縛られず、子供を愛する素直な親の気持ちで子供と一緒に母親として成長していきましょう。
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