グローバリゼーションが進む現在、世界でもっともユーザーが多い言語・英語の重要性がますます高まっています。この英語、子どもはどのようにして習得していくのでしょう?
今回は、使用している言語別に「ネイティブ(英語が母国語の人)」「バイリンガル(英語と日本語が話せる人)」「日本人」と分類し、それぞれのk土もたちがどのように英語を身につけるのかを紹介します。
【1】ネイティブの子どもはどうやって覚えているの?
英語ネイティブの子どもたちは私たちが日本語を覚えるのと同じように、自然に英語を覚えます。しかし、私たち日本人の中でも漢字や敬語が苦手な人がいるように、英語ネイティブでも英語の特定の分野を苦手とする人がいるようなのです。
ネイティブが苦手としやすい英語の分野は2つあります。
・
1.スペリング
英語圏の子どもでも、完璧なスペルを習得するのに苦労するそうです。「spelling bee」という、スペルの正確さを競う大会が盛況なのも、ある意味それの裏返しといえるでしょう。
以前、筆者が参加したとき、カナダ出身の子が「kindergarTen」を「kindergarDen」と答えていたことに衝撃を覚えたことがあります。ネイティブでも、正確なスペルを覚えることは難しいようです。
2.難しい文法
ネイティブにとっても、仮定法や可算名詞と不可算名詞の違いなどを覚えるのには、時間がかかるそうです。
ですから、英語圏の子どもが完璧な英語をラクラクと使いこなしていると思ったら大間違いなのです。
【2】バイリンガルの子どもはどうやって覚えているの?
では、バイリンガルの子どもはどのようにして英語と日本語を習得しているのでしょうか?
これはかなり回答が難しいく、諸説あります。また、そもそもバイリンガルの定義についても諸説あります。バイリンガルを「英語と日本語を喋れる人」と定義づける説もいれば、「英語圏と日本語圏の文化を把握している人」と定義づける説もあり、かなり幅広い回答となっています。
ここでは、「バイリンガルは英語脳を持っている」という説に則って紹介します。
・
1.英語脳とは?
英語脳とは「周波数の異なる日本語と英語を聞き分けられる脳」のことです。
英語と日本語で周波数はかなり違い、以下のようになっています。
- 英語:2000-12000hz
- 米英語:750-5000hz
- 日本語:125-1500hz
この違いは英語は子音中心で、日本語は母音中心であるのが要因であると言われています。
また、英語脳をもつ人間は、周波数の違う英語と日本語をそれぞれ脳内の違う部位で処理している、と言われています。
2.英語脳をいつ育てればいの?
ではこの英語脳、いつ育つのでしょうか?実はこの英語脳が育つ時期に関しても色々な説があります。
というのも「5,6歳までだという説」と、「12,3歳までだという説」様々です。
ちなみに言語の脳科学に詳しい酒井邦嘉助教授(東京大学)によると、「音韻(発音)は1歳ぐらいまでの早い時期に固まり、6歳ぐらいまでに完成、文法は12~13歳くらいまでに完成する」そうです。
3.英語脳はどうやって育てられるの?
英語脳を育てるのに有効であるとされる方法もいくつかあるのでまとめてみましょう(すべてが成功するとは限らない点に注意してください)。
・
母国語としての言語を認識する脳内のマップは1歳までに形成され、それ以後に聞いた音は第二言語として認識されるそうです。
意外と早いうちに形成されてしまいますよね。ですから、1歳までの間に英語を認識させて、母国語と同じく脳内マップに英語を刻んでみましょう。
なぜオーケストラを聞かせるのかというと、オーケストラの音の周波数は英語の音の周波数と似ているからです。弦楽器の音は英語の高い音、トロンボーンなどの管楽器の音は英語の低い音に類似しているそうです。
オーケストラの音を聞いてこれらの周波数を持つ音を認識する回路を脳内に形成すれば、英語の認識も容易に行えるようになります。
ネイティブに近い発音ができるようになるのは10歳までと言われています。ですから、発音の練習は10歳までにやると良いらしいです。
LとRの発音方法の違いなども自然と出来るようになるそうです。
一度英語学習を停止してしまうと、それまで形成されていた脳内の英語を認識する神経回路が途切れてしまうとのことです。
「一度脳内で完成した認識の神経回路は消えにくい」という、神経科学の理論が根拠にあるのだそうです。
【3】日本人の子どもはどうやって英語を学習すればいいの?
では、日本語を母語とする日本人が、英語を身につけるためにはどうしたら良いのでしょう?やはり、「早期の英語教育」なのでしょうか。
やはり、これにも諸説あります。そして、「どの程度の英語力を獲得させたいのか」によっても手段が異なります。
臨界期は9歳〜10歳!
これはいわゆる「早期英語教育」にあたりますね。
「英語に触れさせる」とは具体的に英語の聞き流しやキッズ英語教室に通うことを意味するそうです。
早期英語教育のメリットは大きく分けて3つあるそうです。
これは先程述べた通りですね。小さい頃の方が英語脳を形成しやすいそうです。
英語に限らず、言語全般を習得する臨界期は9〜10歳であると言われています。また、英語の発音が正確にできるのも同じく9〜10歳と言われています。
例えば、RとL、sとthなど日本人には難しい発音でも、9〜10歳未満の子どもなら簡単にできるようになるそうです。
Foreign Service Instituteというアメリカ国務省附属機関の「外国語の研修成果と学習時間に関する資料」には、「母国語と英語習得に要する時間の相関関係」に関する極めて興味深い調査結果が載っています。
- グループ1:英語と似た言語(ドイツ語・フランス語など)・・・480時間
- グループ2:英語とやや異なる言語(ギリシャ語・ヒンズー語など)・・・720時間
- グループ3:英語とかなり異なる言語(ロシア語・トルコ語など)・・・1320時間
- グループ4:英語と全く異なる言語(日本語・中国語・朝鮮語・アラビア語の4言語)・・・2400~2760時間
それぞれ、「日常生活を送るのに困らない程度の英語」を習得するのにかかる時間を表しています。日本人の場合はなんと2400時間もかかるそうです。100日必要であるということですね。
【4】英語の背景にある歴史・文化を学ぶこともたいせつ
こちらの話は、所謂「反:早期英語教育」にあたります。
プレジデントFamily 2013年4月号の記事「英語ができる人1000人に聞いた、子どもにマスターさせる近道」によると
「母国語も身についていない幼少期から英語を学ばせるのは疑問」
という声が多かったんだとか。
「小学校低学年のうちは論理的な思考もできないし、抽象化や概念化もできていない。言語を学ぶうえで大事なのは、概念の理解や、感情の説明能力です」「バナナとかアップルとか、物の名前を覚えさせるのを英語の勉強とするなら、やらなくていいと思う。それなら英米の歴史や文化を学ばせたほうがいい」
との声があるそうです。
この調査における「英語ができる人」がどのくらいのレベルなのかは不明ですが、なんとなく納得できる話です。たしかに早期英語教育を施すと、セミリンガル(双方の言語とも日常会話レベルにとどまる)が形成されてしまうなどのデメリットがあるので、早期英語教育にも注意が必要です。
【5】バイリンガルを育てるのは大変!
英語学習法論には諸説あり、英語を習得するのがいかに大変なことであるのかが伺えますよね。
ですから、我が子の英語教育が上手くいかなくてもがっかりせずに、じっくりのんびりコツコツと学習を継続していきましょう。
子どもの習い事を探すなら、コドモブースターを使おう!
子どもの習い事情報サイトも複数ある中でもコドモブースターがおすすめな理由はこれ!
近くの教室が検索・その場で体験予約ができる
習い事を探すとなったらやっぱり、家の近くの住所や最寄りの駅で探しますよね?
『コドモブースター』では、お住まいの地域や駅名などから近くの教室が検索でき、どんな習い事教室があるか一目でわかります!
またコドモブースター内で体験などの予約もできるのでとってもカンタン。
口コミで評判がわかる
気になる教室があっても、実際にはどうなんだろうと評判が気になりますよね?
周りに通っているお友だちがいなかったら、体験の1回で決めなければならないのは、ちょっと心配の方もいると思います。
『コドモブースター』では、教室の体験や入会された方の生の声を見ることができるので、教室選びの参考にもなりますよ。
おトクなキャンペーンも実施
時期によっては、アンケートに答えるとプレゼントがもらえるキャンペーンも実施しているので、とってもおトクです。
子どもの習い事を探すなら、まず『コドモブースター』で検索してみましょう!