幼稚園や保育園に通い始める子も出てきて、家庭から外へと世界がグンと広がるのが3歳の頃。さまざまな刺激を受けることによって、3歳児の知能や体力は著しく発達します。
この時期に良い絵本とめぐり合うことは、その後の人生にとって大切な財産になるといわれています。パパママは、良書を選んでどんどん読みきかせをしてあげましょう!
本屋さんにいけば山と積まれている絵本たち。その中から、3歳の子どもに絵本を選ぶポイントやおすすめの知育絵本についてまとめてみました。絵本選びに迷っているパパママは、ぜひ参考にしてくださいね。
3歳児のための絵本選びチェックリスト
ボキャブラリーが急速に増える3歳児。3語以上を組み合わせて大人ともスムーズにコミュニケーションが取れるようになってきます。言葉遊びの歌を面白がったり、早いとひらがなを覚えて読めるようになる子も。
言葉領域が爆発的に増えるこの時期、良い絵本に出会うことがどれほど子どもの成長にプラスになるかは、パパママにもわかると思います。以下、絵本選びに迷った際に役立つチェックポイントをまとめてみました。
ポイント1 | 親子で楽しめるものかどうか
どの年齢の子どもにもいえることですが、まずは親子で楽しめる絵本を選びましょう。パパママが読んでみても面白い!と思える絵本であることが大切です。
ポイント2 | ページ数は15ページ以内で
ページ数が多くなると子どもの集中力が続かないことも。3歳ぐらいになるとストーリーのある絵本を好む子どもが増えますが、ページ数としては15ページ以内がおすすめ。
ポイント3 | 1ページあたりの文字数も大切
1ページに1行しかない絵本は卒業し、3行〜5行ほどの文章がある絵本に挑戦しましょう。とはいえ、難解な話はまだ理解が難しいお年頃、ストーリーはシンプルな方がベターです。
ポイント4 | いろいろなタイプのお話をチョイス
せっかく興味が広がっていく時期です。同じタイプのお話に偏ることがないよう、題材も多彩なジャンルから選びましょう。好奇心旺盛な子どもは学力が高いというデータもあります。
ポイント5 | 絵がていねいに描かれている絵本
言葉の発達が著しいとはいえ、まだ文字が読める子どもは少数派。絵を見るだけでもお話が理解できるよう、ストーリーに沿ってていねいに描かれている絵本を選びましょう。
ポイント6 | 世代を超えて長く愛されている絵本
絵本の世界には、何世代も読み継がれてきた名作が少なくありません。長く愛され続けている絵本には理由があります。パパママが子どもの頃に読んでもらった絵本を選ぶのも良い選択です。
ポイント7 | 身近なことが題材の絵本
大きくなるにつれ、SFやファンタジーなど創造力が必要な話にも興味を示すようになりますが、3歳のうちは身近な題材や経験したことのある題材を扱った絵本を選ぶと興味を持ってくれます。
ポイント8 | シンプルで感想が持ちやすいお話の絵本
シンプルで普遍的な物語の方が、「どうしてこうなっちゃったんだろうね」「ちゃんと助かって良かったね」など、親子で感想が語り合えます。コミュニケーションを通して子どもの心がさらに育ちます。
3歳児におすすめの絵本ベスト10!
それではいよいよ、3歳児におすすめの絵本のタイトルをご紹介します!
先に挙げた8つのポイントを網羅した、パパやママが読んでも楽しいと思えるような絵本がたくさんあります。ぜひ手に取ってみてくださいね。
1.はらぺこあおむし
作・絵: エリック・カール 訳: もり ひさし
出版社: 偕成社
世界中で愛されているはらぺこあおむし、日曜日にたまごから生まれ、月曜日にはりんごを一つ、火曜日にはなしを二つ・・・とたくさんの食べ物を食べゆっくり大きくなり、美しい蝶に変身します。
小さなあおむしがさなぎを経て蝶に変わっていく姿を学ぶことが出来ます。同時に曜日の間隔や数字を覚えることが出来る絵本としても人気があります。また、力強く綺麗な絵が子供たちの心を引き付けます。
2.だるまちゃんとてんぐちゃん
作・絵: 加古 里子
出版社: 福音館書店
小さな赤い体がチャームポイントのだるまちゃんは、仲良しのお友達のてんぐちゃんの持ち物がうらやましくてたまりません。家に帰ってお父さんに伝えると、お父さんはだるまちゃんのために、家にあるいろいろなものを出してきてくれますが、だるまちゃんの希望にはあいません。けれど、だるまちゃんのアイデアで素敵なアイテムに変身させていきます。
だるまちゃんのためにお父さんがたくさん用意してくれるアイテムの絵がたくさんあり、絵を見ているだけでも楽しめる作品です。また、てんぐちゃんの持っている珍しいアイテムを欲しがる素直なだるまちゃんの気持ちに共感が出来ます。
3.ぞうくんのさんぽ
作・絵: なかの ひろたか
出版社: 福音館書店
良い天気の日に散歩に出かけたぞうくんが、途中で出会った友達動物を散歩に誘います。おんぶしてくれたら散歩に行くよという友達たちを背中に乗せて歩くぞうくんの足取りは危うく、水の中にどっぼーんと転んでしまいます。
のんびり歩くぞうくんと、散歩に誘われる友達動物との、同じようなやりとりが続いたあと、突然の展開に子供たちが大喜びです。何かが起こりそうなわくわくを何度も味わうことが出来る作品です。
4.くろねこかあさん
作・絵: 東 君平
出版社: 福音館書店
くろねこかあさんが、3匹のしろねこと3匹のくろねこを生み育てます。切り絵の手法で展開された白と黒のコントラストが見ごたえのある絵と、リズミカルな言葉が子供たちの心をとらえます。
どのページも同じ調子のリズムに乗って話が進むので、安心して読み進めることが出来ます。子供たちの好きなリズムなのか、絵本を読み終えた後も、その口調で話すのが楽しめますよ。
5.かさかしてあげる
作・絵: こいで やすこ
出版社: 福音館書店
雨が降ってきました。傘を持たないなっちゃんに、ありさんをはじめ動物たちが自分にぴったりの傘を貸してくれます。ところが、なっちゃんにぴったりの傘はありません。そこへ、愛犬のジョンがなっちゃんの傘を届けに来ます。動物たちとなっちゃんは自分にぴったりの傘をさして歩き始めます。
シンプルなストーリーがわかりやすく、夢中になって読める絵本です。それぞれにぴったりの傘とその理由を話しながら読むのも良いですね。
6.そらいろのたね
作: 中川 李枝子 絵: 大村 百合子
出版社: 福音館書店
ゆうじが宝物の飛行機ととりかえた「そらいろのたね」を庭にまくと、たねから家が出てきました。家はどんどん大きくなりお城のようになります。ところがたねの持ち主だったきつねが、飛行機を返すからと言って家を独り占めしてしまいます。それでも家はどんどん大きくなり、やがてお日様にぶつかって・・・。
たねから家が生えてくるという発想に子供たちは大喜びです。本を読むといろんな種をまきたくなるでしょう。絵本の中に有名な野ねずみのぐりとぐらが登場するのも人気の理由です。
7.3びきのくま
作: L・N・トルストイ 絵: バスネツォフ 訳: 小笠原 豊樹
出版社: 福音館書店
森で仲良く暮らす3匹のくまが散歩に出かけている間に女の子がやってきて、くまのおかゆを食べいすに座りベッドに横になります。散歩から帰ったくまたちが家の様子が変わっていることに気が付いてあちこち調べていると、ベッドに寝ている女の子を見つけます。
異国情緒漂うくまたちの名前が子供の興味を引き付けます。自分たちのおわんやいすの様子がおかしいと気が付いた時のくまたちの反応も楽しく、何度も読みたくなるお話です。
8.ぐりとぐら
作: 中川 李枝子 絵: 大村 百合子
出版社: 福音館書店
お料理が好きな野ねずみのぐりとぐらが、森で見つけた卵を使って大きなカステラを作ります。その良い香りに誘われて、森の動物たちが集まってきます。
ぐりとぐらが料理をしながら歌う歌のテンポが良く、リズムよく読み進めることが出来ます。おいしそうなおやつは、読み聞かせた後親子で作るのにおすすめなフライパンで作れるカステラ。是非、本を読んでおやつ作りを楽しんでください。
9.どうぞのいす
作: 香山 美子 絵: 柿本 幸造
出版社: ひさかたチャイルド
うさぎさんが作ったいすにどんぐりを置いて眠ってしまったろばさん。次々にやってくる動物たちの勘違いからとりかえっこが始まります。ろばさんが目を覚ました時にいすの上にあったのは・・・?
どうぶつたちの思いやりの気持ちが伝わる、読んだ後に心が温かくなる絵本です。保育園や幼稚園でも多く選ばれています。
10.大きなかぶ
原作: (ロシア民話) 文・絵: いもと ようこ
出版社: 金の星社
おじいさんが大事に育てたかぶが、とても大きくなりました。一人の力ではとても抜くことが出来ません。おばあさんや孫、牛や豚まで手伝って「うんとこしょ。どっこいしょ」やっとかぶぬけました。
なかなか抜けないかぶを力を合わせてひっぱる姿をマネしながら読み聞かせると、より楽しめる絵本です。
少しずつレベルの高い本に触れさせてみましょう
3歳になると知能も一気に発達し、想像力・言語能力共に成長します。この時期にたくさんの絵本と出会うことは大切です。良質な絵本を繰り返し読み聞かせることが、3歳児の教育に良いと言われています。
子供は何度も同じ本を読んでもらうのも好きですよね。たくさんの絵本に出会うために図書館を利用するのも良いですが、お気に入りの何冊かは自宅に置いておけると良いでしょう。
また、この時期に吸収できることはパパやママが想像するよりも多くあります。今までよりも少し難易度の高い絵本を選んであげてください。
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