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はじめから「音楽性」を育て「表現力」を大切にする――カワイ音楽教室ピアノ講師三友先生インタビュー

はじめから「音楽性」を育て「表現力」を大切にする――カワイ音楽教室ピアノ講師三友先生インタビュー

全国に教室を持つ「カワイ音楽教室」のピアノコースは、4歳から始められるピアノの個人レッスン。見学させていただいた、子どものために作られたカワイのオリジナル教材「サウンドツリー」を使って行われるレッスンは、とても楽しく魅力的なものでした。

そんな「表現力」を育てることを大切にした「サウンドツリー」教材の魅力や、気になる発表会やコンクール、グレードテストのことなど、まだまだ詳しく知りたい事がたくさん!さっそく、カワイ音楽教室ピアノ講師の三友清美先生にお話をお聞きしました。

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▼ 今回インタビューに答えてくれた先生

発表会、コンクール、グレードテストと年間行事がたくさん!

一人ひとりをよく見て、その子にあったレッスン方法を

――レッスンでは、どんなことを心がけて指導していますか?

同じ小学1年生でも、ちょっとまってね、と言わないと勝手に今やっていない曲まで弾いてしまうような自由奔放な子から、何か言わないとアクションを起こさないおとなしい子まで、生徒さん一人ひとりがそれぞれ全然タイプが違います。

ですから、一人ひとりの違いをよく見るようにしています。どんな子なのかがわからないと、どんなレッスンをしたらいいのかがわかりません。子どもの様子をよく見て、その子にあったレッスン方法をしていくことを心がけています。

カワイ音楽教室でピアノを習うメリットは?

――カワイ音楽教室でピアノを習う、良いところは何ですか?他のピアノ教室との違いは?

まず、年間の行事がたくさんあるところが、カワイ音楽教室の特長です。個人の先生ではなかなか難しいグレードテストの他、発表会、そしてコンクールがあります。

グレードテストは、子どもが目標をクリアする機会であることはもちろん、テスト会場で他の生徒さんの演奏を聴くことができる貴重な機会でもあります。ピアノは個人レッスンなので、同年代の同じレベルぐらいの子の演奏を聴くのは、とても勉強になると思います。

また、コンクールや発表会も、まだ歌しか歌えない年少さんぐらいのお子さんから、高校生まで、本当に幅広い年齢層のお子さんが出るので、色々な演奏を聴くとても良い機会になっています。

カワイ音楽教室では、地区ごとで発表会を行っています。カワイミュージックスクール表参道が所属する城南地区では、年2回各10日間ぐらいかけて、数百人の生徒さんが参加して開催されています。そのため、発表会の日程が合わない時には、日程の調整がつきやすいというメリットはあります。

また、教室によっては所属する講師もたくさんいますので、塾や他の習い事の関係で曜日や時間を変更したいといった時に、講師の変更も可能となっているので、時間や曜日の調整がしやすいというメリットもありますね。

さらに引っ越しなどの時でも、全国にカワイ音楽教室はありますし、先生たちも同じ教材を使って、共通の研修を受けているので、転居先でも引き続き同じ内容で習うことができる、継続性があるというのも、大きな強みだと思います。

サウンドツリーは「音楽表現」を育てる教材

カワイオリジナル教材「サウンドツリー」の魅力

――オリジナル教材「サウンドツリー」はどのような特徴がありますか?

「サウンドツリー」は、4歳に向けた「サウンドツリー1A」という教材からスタートします。4歳ぐらいのお子さんですと、まず、レッスン中ずっと座っていられるお子さんはまれです。ピアノの下に潜ってしまったり、どこかに歩いて行ってしまったり、電気を消してみたり。ですから、はじめはピアノを弾くというものではなく、先生とピアノを使って遊ぼうね、という広い意味での音楽活動からスタートします。

「サウンドツリー」は、そういった“音楽を楽しむ”という要素を盛り込んだイラストを多数使ったわかりやすい「グラフィック譜」で、子どもが入りやすい教材となっています。

私達が小さい時は、ピアノの教本というと「バイエル」を使うことが多かったと思います。「ドーレードーレードドド」と、子どもにとってはやっていても全然面白くない。音符を読んで、弾いて、音符は何個伸ばしますか?というレッスンになりがちな教材でした。

でも「サウンドツリー」は、はじめから練習する曲の歌や演奏が収録されているCDがついていて、楽曲として学べるようになっています。

一番最初の曲は、「ありさんのキッス」という曲で、先生が弾き歌いをして“ありさんの、キッス(チュッチュ)キッス(チュッチュ)”というフレーズの、“チュッチュ”のところを子どもが鍵盤の黒鍵を弾くというレッスン。

もう、はじめの練習から音楽になっています。サウンドツリーでは、はじめから「音楽」を楽しめるのです。

「ピアノを教える」ための充実した研修体制

――講師はどんな方ですか?経歴や指導トレーニングの有無について教えてください。

講師は、音大など専門的な機関で音楽の勉強をしてきた方がほとんどですね。カワイ音楽教室の選考試験で実技と筆記の試験をクリアされて講師になっています。講師になってからもカワイグレードテストのハイグレード取得も目指すなど、研鑽を積みながらスキルアップを図る方が多いです。

また、カワイは低年齢の子どもたちに対する教育に力を入れており、独自の研究もしていますので、講師になると同時に子どもの成長や発達を知るための研修や、教材についての研修があります。

大学卒業してすぐだと、教えるということにまだ慣れていない方も多いので、その部分は集中的に研修を行っています。「ピアノを弾く」ことには慣れているのですが、それを「教える」となると、また全然違いますからね。それも、相手は子どもです。どう接したらいいのか、どう教えていけば良いのかということを、研修で学んでいきます。

今は4歳から始める子も多数!音楽のある生活の魅力

子どもがピアノを習うメリットとは?

―― 子どもがピアノを習うことで、どんなメリットがあると思いますか。先生はピアノが弾けてどんなことが良かったと思いますか?

ピアノを習っていると、発表会など人前に出る機会が増えますので、そういった度胸がつくというのは、子どもにとって良いことだと思います。

私の場合は、もともと歌や音楽が好きだったので、ピアノを習い始めたのですが、目立ちたいタイプだったので、学校で合唱の伴奏をしたりできたのも嬉しかったですね。もちろん、曲が上手に弾けた時や、ただピアノを弾いているだけでも楽しかったです

また、音楽があることで、気持ちが満たされるという部分はあると思います。家で、自分が好きな曲を弾くことで、すごく心がいやされる。そんな時が、ピアノを弾けて良かったと思う時ですね。

ピアノを習いはじめるのは何歳頃から?

――教室に通っているのは、どんなお子さんが多いですか?何歳頃から始める子どもが多いのでしょうか。

ピアノレッスンは、4歳頃からはじめる方が増えています。昔はピアノは6歳ぐらいからはじめる方が多かったですが、最近は習い事も低年齢化していて、4歳頃からはじめる方が多いです。

また、最近は3歳から始めたいという問い合わせが多かったため、「3歳ソルフェージュ」というコースを立ち上げました。ただ、ピアノは体が大きくなってからのほうが弾きやすい楽器です。3歳ですとまだ指の力もありません。そのため、ピアノを始める前の音楽作り、土台作りを「3歳ソルフェージュ」では行っています。

「3歳ソルフェージュ」も、ピアノの講師が研修を受けてレッスンを行っていますので、4歳になってピアノコースを開始する時に、引き続き同じ講師のレッスンを受けることができます。

生徒さんの男女比は、若干女の子の方が多いですが、男の子も増えており、今は6対4ぐらいの割合でしょうか。あまり変わらないかなと感じます。

年齢層は、4歳から始めて、小学校1、2年生の生徒さんが一番多いでしょうか。最近は城南地区をはじめとする都市圏では中学受験の準備期間が早くなってきているので、3年生ぐらいから塾や他の受験に向けての習い事を考える方が多くなることが影響しているようです。

ピアノは大人の楽器。本当に楽しめる年まで長く続けて欲しい

――ピアノが上手になる、力を伸ばすことができるのは、どんなタイプの子どもでしょうか。

年中から小4までピアノを習って、中学受験で一度お休みし、中学3年生になって復帰した男の子がいました。当時はすごく細くて、身体も小さくて力がないので、ピアノの音が出なくて大変だったのですが、復帰した時はすごく背も伸びて、がっしりしていました。お休みしていた期間はあまりピアノを弾いていないということでしたが、以前より何倍も上手になっていて、とてもびっくりした、ということがありました。ブランクがあっても、身体と心と理解度の成長があって、その当時の技術以上の力がついて、戻ってきたんです。

そんなことがあったので、体格が大きくなって心も育った、中学生高校生になるとまた違うのだなと感じています。

小さなうちからあまり無理してやらせて、嫌になってしまうよりは、細くても良いので継続することレッスンが楽しい、ピアノって楽しいという気持ちが根底にあれば、一度辞めても戻ってくることができると思うのです。そういう気持ちを伸ばして、なるべく続けてもらえたらいいなと考えながら指導しています。

ピアノという楽器は、大人の楽器なんですよね。子供の時から上手に弾く子もいますが、それでもどこか無理しているところはある。中学生・高校生ぐらいの体格になると、きちんと音が出せるようになるので、本当の意味でのピアノを弾く楽しさを感じられるのです。

親の役目は練習の習慣づけ。とにかく褒めて!

親は子どものピアノをどうやってサポートすればいい?

――親や家族はどのようにサポートしていけばよいでしょうか。

ピアノは、本当は、毎日決まった時間練習したほうが上達します。でも、それが無理なく普通にできる子と、なかなかできない子がいますよね。

お子さんが小さいうちは、自分からすすんで練習するということはあまりないので、親は歯磨きをするのと同じように、同じ時間に同じ分数、練習する習慣をつけてあげてください。それがなかなか難しい方は、タイミングを見て言葉をかけてあげるだけでもよいのです。親御さんには、そういったサポートをお願いしたいと思います。

また、まずは子どもを褒めてあげることですね。ちょっと下手だなと思っても、「上手にできたじゃない!」と。できるようになった部分、いい部分があったらそこをきちんと褒めてあげる。レッスンの時もそうしていますが、お家でも、具体的に褒めてあげるということは大きなポイントです。

長続きの秘訣はアコースティックピアノ

――ピアノの購入は必要ですか。また、その場合はどんなものが良いのでしょうか。

ピアノのレッスンですので、やはり、ピアノの購入をお勧めします。ただ、最近はマンションなどの住宅事情から、電子ピアノを購入する方も多いですね。電子ピアノの場合は、できるだけピアノのタッチに近い、木製鍵盤のものをお勧めしています。

ただ、アコースティックピアノと電子ピアノでは、音を出す構造が全く違います。タッチ感だけでなく、グランドピアノではアクションなどの違いから、弾きやすさも異なってきます。

レベルがあがると、電子ピアノでは表現しきれないものが多くなってきます。その時、必ず買い替えてくださいとは言えないですけれど、最近はアコースティックピアノ用の消音キットなどもありますので、アコースティックピアノへ替えていただいた方が、ベストだと思います。

家の電子ピアノでは練習してできていたのに、レッスン室のアコースティックピアノで弾いたら、上手く弾けない。そういったギャップで、ピアノが嫌になってしまう場合も多いです。はじめからアコースティックピアノを用意していただくことが、長続きの秘訣にもなるのかなと思います。

楽器購入を応援する「カワイ友の会」というものもあります。将来良いピアノに買い替えたいという方のための積立でもあるのですが、購入だけでなく、調律代などにも使えますので、調律代として積み立てて使っている方もいらっしゃいます。

グレードテスト、発表会は成長の機会

生徒全員がチャレンジするカワイピアノグレード

――カワイピアノグレードとは、どのような試験ですか?

グレードテストは、カワイ音楽教室に通う生徒さん全員がチャレンジしていただく教育イベントです。レベル毎の教本の終わりに課題曲が設定されているので、その教本が終わる頃にチャレンジしていただき、次の級にステップアップしていくという試験で、2、3ヶ月に1回、年間7回ぐらい行っています。

生徒さんの級は、16級から7級まであり、6級以上は指導者のための級となります。一番最初の導入の「サウンドツリー1A」という教材の時は、先生がレッスンの時に認定する形になりますが、それ以降の「サウンドツリー6new」までの対応級については、試験会場でグレードテストを受ける形になります。

他にもドリマトーンという電子オルガンのグレードテストや、大人用の「おとなのグレードテスト」もあります。

発表会は1年に1回

――発表会はどのような形で行われますか?どのくらいの準備期間で行うのでしょうか。

発表会に向けて、だいたい3、4ヶ月前、長い子で半年前に曲を決めて練習を始めます。レベルに合った、好きな曲を先生と一緒に選んでもらっています。

カワイミュージックスクール表参道が所属する城南地区の事務所では年に2回、春と秋に発表会を開催していますが、生徒さん自体は、1年間に1回、どちらかに出ていただくような形です。地区内の教室の生徒さん全員が出るので、色々な会場を使って行っています。

始めたばかりの子であれば、まずは舞台慣れをということで、歌だけで発表会に出る方もいますし、それ以外でも歌が得意な子は歌とピアノだったり、先生と一緒に連弾という形式で参加する子どももいます。

――発表会は、どんな服装で参加するのでしょうか?

特に指定はしていませんが、女の子はドレスのお子さんが多いですね。最近は子供向けのかわいいドレスが多くて、女のお子さんですと、そのドレスを選ぶのも楽しみで、とおっしゃる保護者の方もいます。男のお子さんですと、半ズボンのスーツが多いでしょうか。

のびのびと楽しく演奏できているか?が基準のコンクール

カワイのコンクールは三種類

――「カワイコンクール」とはどのようなコンクールなのでしょうか?

「カワイコンクール」は三種類に分かれていまして、一つ目が「カワイピアノコンクール」という、外部の生徒さんも出られる音楽力や演奏力を重視したピアノコンクールです。全国大会まであって、バロックや古典派から現代の作品を網羅したコンクールになっています。

二つ目が「カワイこどもピアノコンクール」という、カワイの生徒さん限定のコンクールです。カワイのグレードを持っていることが出場資格となり、テクニックよりも、表現力を重視する、「子どもがのびのびと楽しく演奏できているか」が審査の基準となるコンクールとなります。こちらは地区ごとに予選会、オーディションがあって、その後、大会(カワイミュージックスクール表参道の場合は東京大会)までのコンクールです。全国大会はありません。先生との「連弾の部」と、一人で弾く「ソロの部」とがあり、年齢ごとで出場コースが分かれています。

もう一つ、「うたのコンクール」というものもあって、こちらもカワイの生徒さんが出るコンクールです。歌の上手い下手ではなく、「子どもらしいのびのびとした表現ができているか」というのが審査の基準となります。幼児の部、1・2年の部、3・4年の部、5・6年の部と言う形で、年齢で各部に分かれています。

オーディションで入賞すると、大会に出場することができ、大会では「金賞」「銀賞」「銅賞」「努力賞」などの賞があり、メダルももらえます。

先ほとお話した、「サウンドツリー」でも「表現力」という部分をお話しましたが、この「こどもピアノコンクール」でも、「表現力」が重視されています。

また「こどもピアノコンクール」では、課題曲に現代の若い作曲家が作った作品が多いです。タイトルの無い「練習曲○○番」ではなく、曲名がついている課題曲が多く、イメージを持って演奏しやすい曲が選ばれています。それもやはり、表現力を磨くという部分に繋がっているのです。

経験が表現力に繋がる~カワイミュージックキャンプ

――カワイミュージックキャンプとはどんなものですか?

カワイミュージックキャンプは、夏休みに、自然の中でのびのびと音楽体験をするという、4歳から小学校6年生までの希望者を対象とした宿泊イベントです。地区ごとに募集が行われています。

宿泊先でピアノの練習をするとか、そういった直接的な音楽活動ではなく、ハイキングにいったり、川遊びをしたりといった、いわゆる一般的なキャンプに近いものです。

ちょっと違うのは、手作り楽器を作ったり、歌を歌ったり、ダンスをしたり。常に、音楽がそばにあるキャンプだということです。朝も、音楽で目を覚ます。起きたらみんなで歌を歌う。自然に触れながら、音楽と触れ合うというものです。

ピアノで表現する時も、川の水の冷たさを本当に体で知っていたほうが、その表現力に繋がってきますよね。そういった、普段の生活ではできない体験をするのも目的の一つです。

また、子どもたちにとって、親御さんから離れて、先生と一緒に二泊三日のキャンプをするということがとても大きな経験になります。

今回取材したのはこちらの教室
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