国立教育政策研究所は2013年に「21世紀型能力」を提案しました。ここでは、その内容について詳しく説明します。
複雑化し変化する社会を生き抜くための力を養う教育
地球規模にグローバル化し、多文化が共生する社会で、情報化またはAI化が進む中で生き抜くためにどのような教育が必要かが世界でも研究され、提案がされています。アメリカでは「21世紀能力」、EU諸国やニュージーランドでは「コンピテンシー」という提案がされていますが、日本では2013年に国立教育政策研究所が「21世紀型能力」等を提案しました。内容的には知識重視の近代的教育から問題解決型の教育への移行が志向されています。これは知識や技能を教育のゴールとするのではなく、その取得した知識や技術を用いて、環境やバックグラウンドが違う他者と協働して目の前の問題や仕事に対して問題解決を行うということを教育のゴールとしています。
複雑化する社会とともに、変化する社会への対応力を養うことも重視されています。国立教育政策研究所の報告書5では、次の3点を共通認識としてます。1つめは変化する社会に対して汎用的な資質や能力を教育目標として明確に定義すること、2つめは、社会のなかで、他人との交わりの中で問題解決ができるように教育目標を構造化すること、3つめは、資質や能力の育成は、深い学びのなかで支えあうことが挙げられています。
これら3つを「原理」として、これを実現するために具体的な教科内容を構想しています。変化の激しい社会では、読み書き計算の他コンピュータのリテラシー、数量的なリテラシーが必要となります。そのために未知の問題に答えを出せる思考力と、現実の問題に対して対話によって問題解決できる実践力が必要とされています。
教育課程の編成原理と3つの力
教育課程の編成原理と21世紀型能力では、3つの観点から編成されています。核となるのは、思考力を支える「基礎力」です。言語、数、情報(ICT)を目的に応じて使いこなすことが必要とされています。「読みと書き」「計算」の他、「ICTスキル」、「情報リテラシー」が必要とされます。
包含する中核には「思考力」が位置付けられています。問題解決や発見、新しいアイデアを作る創造力、その過程で必要とされる論理力や批判力、その成果に対するメタ認知力とその次の課題に対しての適応的学習能力から構成されています。
そして最も外側には、「実践力」が位置付けられています。自分の行動を調整し、主体的に生きていく自律的なキャリア設計能力、他者とのコミュニケーション能力、協力して社会に参画する力、倫理や市民的責任を自覚して行動し、未来の持続可能な社会への責任が構成されています。
これら3つの能力は関連しながら高めあっていくと定義されています。つまり、これらの能力の取得を、知識を得ることで基礎力をつけ、思考力を養い、現実の問題へと実践するというように、段階的にとらえるということではない、ということです。例えば、基礎力で統計学を学ぶと、抽象的な概念例えば「平均」などは、実践力の「地球の先進国と発展途上国とのGDPとの比較」と考えると、双方に理解が進み、現実の問題への目を開くことができます。経済格差や貧困の問題などを考える契機となります。抽象的な概念も現実の問題とからめることで、基礎、思考、実践との有機的な関連を生み出すと考えられています。
21世紀型能力のための授業づくりと教育課程編成の視点
報告書では21世紀型能力のための授業づくりと教育課程編成の視点が7つ提案されています。1つ目は、学びの文脈を創る意味のある問いや課題です。各単元の目標とその振り返りが設定されています。教育にたいして質の高い教材を用意することで、学習者の質問を導き出し、学習者相互のコミュニケーションによって問題解決を図るように配慮されています。
2つ目は、子どもから引き出す考えの多様性です。自分の意見を述べる、他の人の意見も聞ける場を作ることが重要だと考えています。
3つ目は考えを深めるための対話活動の導入です。他者との対話を通じて基礎、思考、実践の3つの力を高めあうことを目的としています。
4つ目は、考えるための材料の提供です。指導者の明確な説明が、対話による学習の効果を実践力に結びつかないことがあるため、学習教材や思考プロセスの「見える化」が必要とされています。
5つ目は学習活動やツールへのすべ・手立ての埋め込みです。「比較する、分類する、関連する」などの学びも文脈が自然にまた、必然的に学べる学習教材が必要となります。
6つ目は子どもが学びを振り返り、学び方を自覚する機会です。学び方がわかりやすく提示され、メタ認知や反復学習が効果的にデザイン、プログラムされた教材が必要となります。
7つ目は教室や学校に創る学び合いの文化です。21世紀型能力では、基礎段階から他者との学び合いを体感することができる学習機会が組み込まれた教材となります。また、生徒自身が自分の学習態度や理解の変容に気づくことができることが理想的です。
21世紀型能力のための探求型学習
詰め込み型教育と言われる世代では必要な知識をどれだけたくさん吸収するか、問題と答えのパターンをどれだけ記憶できるかということに重点がおかれていました。しかし、社会が複雑化していくなかで、既存の問題解決の方法ではうまくいかないケースも増えてきています。そういった状況を踏まえて生まれたのが探究型学習です。単純な知識の吸収だけでなく、実際にその現場にいったり、問題解決の方法を考えたりすることで基礎力、思考力、実践力を養うことができるのです。
子どもたちがこのような力を身につけるために、教育者や親世代がしっかり考えて学ぶ場を提供してあげることが非常に重要になるでしょう
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