平日、週1回の野球教室でありながら、基礎的な技術の指導力に自信のあるルーキーズJrベースボールクラブ。
「野球を好きになることが一番」と話す林広紀さんに、指導するうえで大切にしていることやクラブの特徴を伺いました。
野球チームとは違い、平日週1回1時間の練習でも身につく確かな技術
――ルーキーズJrベースボールクラブの特徴を教えてください。
林様
はい。ルーキーズJrベースボールクラブでは、週1回の練習を実施しています。
基本的には平日の夕方、学校や園が終わったあとの練習になります。
1回の練習は1時間と限られた練習時間ではありますが、ルーキーズでは「野球が楽しい」と思ってもらえるような効果的な指導を行い、子供たちに野球の基本技術を身につけてもらうことを目指しております。
3歳から通えるスクールになっており、野球を好きになってもらうことを大切にしています。
――土日に長時間練習するスクールではないのですね。一般の野球チームと異なる点をお聞かせください。
林様
練習量もそうですが、県が主催する少年野球大会などには出場しないことが大きな違いです。
一般的に、少年野球チームでは大会で優勝することや成績を残すことを目指すかと思います。
しかし、私たちはあくまで、一人ひとりのお子様が野球を通じて人として成長していただくことを目指しているため、野球の技術向上だけでなく、その先にある人間的な成長を重視しています。
――野球を上手くなることだけが目的ではない、ということですね。
林様
はい。まずは野球を好きになってもらって、野球を通じて礼儀などを学んでほしいと思っています。
ただ、野球教室なので当然野球を好きになってもらう、野球を上手くなってもらうことも重要です。
通っている子供たちのなかには、将来はプロ野球選手になりたいとう夢を持っている子も多くいます。野球というスポーツに対しては一般の野球チームと同じような姿勢で取り組んでもらいたいという想いで指導しております。
――県主催の大会には参加しないとのことですが、試合をする機会はないのでしょうか。
林様
試合という形式を通じて学べることも多くありますので、ルーキーズの教室同士での練習試合を年4回開催しております。また年1回、秋にルーキーズ杯という大会もあります。同じルーキーズ同士、他エリアの教室との交流の場にもなっているだけでなく、子供にとっても普段の練習の成果を発揮するいい機会になっていると思います。
――ルーキーズJrベースボールクラブ内で大会を開催しているのですね。生徒たちのモチベーションにもつながりますね。
林様
そうですね。練習する上での目標にもなり、毎年開催される大会で優勝できるように取り組んでくれています。
野球スクールといえば、小さいころにまず野球に触れる、ある程度出来るようになれば野球チームに移るというケースも少なくないと思いますが、ルーキーズJrベースボールクラブは4年生以上が6割を占めており、未就学児から小学6年生まで継続する子が多いのも特徴です。
野球を好きになるには、徹底した基礎練習!
――普段はどのような練習を行っているのでしょうか?
林様
私達の活動理念の1つに、「すべての子供に平等に指導する」というものがあります。
そのため、学年や個人のレベルに合わせて徹底した基礎練習を行うのが私達の特徴です。
他の少年野球チームに所属している子がルーキーズJrベースボールクラブの練習に参加して「今までルーキーズさんのようにしっかり基礎を教えてもらったことはなかった」とのお声をいただくこともあります。
――なぜ基礎練習が大事なのでしょうか?
林様
野球を始める子の動機や経験値、能力は子供それぞれによって異なります。
しかも平日の野球教室ですと、週に1度、1時間程度の練習量しか確保できず、土日の野球教室に通っている子達に比べると練習時間は10分の1くらいかもしれません。
野球には、盗塁やバントなどといった様々な技術を用いた作戦が必要ですが、それらのすべては基礎的な技術がないと成立しないのです。
そのためにもまずちゃんと捕って、投げて、打つ、ということをある程度できる状態にすることが、ルーキーズの目的です。
――いきなり技術を向上させようとするのではなく、しっかり基礎から教えることが上達への近道にもなるのですね。
林様
そうですね。ですからルーキーズにいた子達が中学に上がったときには、一般の野球チームに通っていた子たちと対等に活動できるほどの基礎技術は身につけることができます。
実際に、別の野球チームに所属している子が、野球を上手くなりたい、チームで活躍したいという理由で新たにルーキーズに入るお子さんもいるほどですよ。
基礎があるから、その先の技術も身につく。その経験が「野球は楽しい」という思いにつながるのだと私達は思っています。
野球だけじゃない。「褒める」と「叱る」で人間的な成長も。
――ルーキーズJrベースボールクラブが指導をするうえで大切にしていることを教えてください。
林様
ルーキーズJrベースボールクラブでは、野球の技術指導だけでなく、子供たちの人間的な成長にも重点を置いています。そのために大切にしていることは、「褒める」ことです。
たとえば、グローブでボールを捕るという行動ひとつとっても、「グローブには当たったぞ!」「よく頑張って追いかけた!」など、できない子に対してもまずやろうとしたことをその子のレベルで褒めるようにしています。
また、それと同じくらい「叱る」ことも大切にしています。
真面目にやっていないときや態度が良くないときなどは、かなり厳しく叱っていると思います。チームでやっている以上、チームにとってマイナスな行動を取ることはよくありません。一人ひとりの性格や能力を見たうえで、その子に伝わるように指導をしています。
――「褒める」と「叱る」のバランスが大切なのですね。
林様
はい。また、ルーキーズは礼儀にも厳しいチームです。
よく子どもたちに指導するのが、挨拶をしっかりすること、道具を丁寧に扱うこと、そして野次を言わないことです。
野球といえばどうしても野次がつきものになってしまっている部分もありますが、相手のチームのことを悪く言うことで気落ちさせ、ミスを誘うというやり方は、子供の人間性にも関わってきます。
野次を言わないように指導することで、やって良いことと悪いことの区別ができる大人に成長してもらえるのではないかなと思います。
“楽しく上達”させてくれるコーチ陣
――ルーキーズJrベースボールクラブのコーチ陣について教えてください。
林様
ルーキーズJrベースボールクラブのコーチ陣は、子供たちが野球を楽しむことを最優先に考えています。
私自身が直接面談を行い、大きな声で元気よくグラウンドに立てることを前提に、最低でも高校3年間野球経験がある人材を採用しています。その経験で培った「自分の野球」というものから練習内容を考えてもらっています。
また、ルーキーズのコーチはどの生徒よりも1番グラウンドで動いていると思います。
「グラウンドの中では子供たちより元気に!」を合言葉に、各コーチは子供たちを見ながら動き回って指導していますよ。
――コーチが元気に指導すると子供も楽しんで練習に参加できますね。
林様
グラウンドで動かず指示を出す監督のような人は一切いないですね。
動きだけじゃなく、声を一番出しているのもコーチだと思います。
コーチが子供を引っ張っていく指導を心掛けています。
親の負担も最小限
――保護者が負担するような役回りはありますか?
林様
ルーキーズJrベースボールクラブは、保護者の負担を最小限に抑えることを心掛けています。週1回の練習で、しかも平日ということもあり、忙しい保護者の方々にとってもほとんどご負担はないかと思います。
ルーキーズ内での練習試合のときには、ご自身のお子様を会場までお送りいただくことはお願いしていますが、それ以外でこちらから何かをお願いすることはほとんどありません。
――保護者の当番がないのは魅力に感じる方も多いでしょうね。
林様
そう思います。ルーキーズJrベースボールクラブのような、平日の野球教室のニーズが高まっている背景として、土日の野球スクールに対するデメリットを保護者の方が感じている部分は大きいと思います。
当番があるとやっぱり負担も大きくなり、子供一人習い始めると家族の時間の多くを野球に費やすことになる。保護者も自分の時間を自分に使いたいという想いはあると思うので、当番がないことは保護者にとってはご安心いただけるかと思います。
――実際にルーキーズJrベースボールクラブに子供を通わせている保護者から、どのような声が寄せられますか?
林様
「もともと運動嫌いだったが楽しく体を動かすことができている」「野球未経験から始めたが上達して楽しく継続できている」という声を多くいただきます。
また、かつての教え子で、小学2年生から入ったものの3年生になってもボールが怖く、グローブで捕ることができずに体が逃げてしまう子がいました。
野球がそもそも楽しいと感じられなかったそうで、保護者の方も困っていらっしゃいましたが、本人に「練習後、5分でいいからキャッチボールをしよう。3ヶ月続けてみてできなかったら辞めてもいいから」と伝えました。
すると、少しずつボールを捕れるようになり、1カ月程でキャッチボールが出来るようになりました。
こういう成功体験があると、子供も野球が好きになり、楽しくて継続してくれる。
結果としてその子は、6年生まで辞めずに続けることができました。
退団の際には保護者様やご本人から感謝のお言葉もいただき、野球が嫌な思い出にならなくてよかったと心から思いました。
――野球を楽しいと思ってもらうための、ルーキーズJrベースボールクラブの一つひとつの行動が実を結んだのですね。
体験レッスンについて
――体験レッスンについて教えていただけますか?
林様
体験レッスンは別メニューではなく、対象年齢のクラスの実際の練習に参加していただきます。まず初めにコーチがみんなに紹介して、キャッチボールはコーチとペアになります。その後、レベルに応じて実際の生徒とペアを組むか、お友達がいる場合はお友達とペアを組んで練習していきます。
――最初にコーチがキャッチボールしてくれるのは安心ですね。
林様
そうですね。やっぱり最初は緊張している子も多いですが、徐々に慣れるように手助けしています。
また、体験は1回になるので、実際の練習に参加して楽しんでいただきます。
体験参加前に、コーチから電話で保護者にご挨拶させていただくので、その際に野球経験なども聞き、初心者の子の場合はしっかりコーチがフォローするようにしています。
――体験レッスンに必要なものはありますか?
林様
野球道具は貸出があるので、帽子と運動靴があれば大丈夫です。
まずは体験レッスンにお越しいただき、一人でも多くの子供に野球を楽しんで、野球を好きになってほしいですね。
――ルーキーズJrベースボールクラブを通じて一人でも多くの子が野球を好きになってくれるといいですね。本日は貴重なお話をお伺いすることができました。ありがとうございました。